ノベルティグッズの印刷には、パッド印刷やシルク印刷、インクジェット印刷、昇華転写印刷など、さまざまな手法があり、それぞれ対応できる素材やデザインが異なります。
印刷方法の選択は、仕上がりの見栄えや耐久性、さらにはコストにも大きく影響します。
この記事では、代表的な印刷方法の特徴と違い、そして素材に応じた適切な印刷手法について、わかりやすくご紹介します。
デザインの色数によって異なる印刷方法
1色~3色程度のデザイン印刷方法
1. シルク印刷(スクリーン印刷)
シルク印刷は、インクをスクリーン(メッシュ)を通して転写するので、非常に鮮やかで丈夫な印刷が可能です。
利点: 1色など、色数が少ないデザインに最適です。 色が鮮やかで耐久性も高いです。
デメリット: 印刷準備に時間とコストがかかるため、小ロットは不向きです。
2. パッド印刷
パッド印刷は、柔らかいシリコンパッドを使ってインクを印刷面に転写する方法です。
利点: 小物や立体物への印刷に向いており、精密な印刷が可能です。少量でも対応できるため、カスタマイズ商品などに使われます。
デメリット: 色数が増えると版を新たに作成する必要があり、その分コストが増加します。
フルカラーデザイン印刷方法
1. インクジェット印刷
インクジェットは、インクを微細なドットとして素材に吹き付ける印刷方法です。CMYKの4色を使ってフルカラー印刷が可能で、特にグラデーションや複雑なデザインに優れています。
利点: フルカラーを比較的簡単に印刷できるため、小ロットやカスタム印刷に非常に適しています。特にグラデーションや写真の印刷に強みがあります。
デメリット: 大量印刷には向いていない場合があり、コストが高くなることもあります。
2. 昇華転写(サブリメーション転写)
昇華転写は、特殊なインクを使用して、紙に印刷したデザインを加熱し、気化させて素材に染み込ませる方法です。特にポリエステルやポリウレタンなどの合成繊維に適しています。
利点: 色鮮やかで耐久性が高く、デザインが素材に浸透するため色あせや摩耗に強いです。写真やグラデーションの再現が得意です。
デメリット: 天然素材(特にコットン)には対応しないため、特定の素材に制限されます。
3. 熱転写印刷
特徴: 熱転写は、デザインを特殊な転写紙に印刷し、その紙を熱で素材に転写する方法です。1色~フルカラーまで対応可能ですが、特にフルカラーでの印刷に使われることが多いです。
適した素材: 布(特にポリエステル)、コットン、キャンバスなど
利点: 少量のカスタマイズや試作に向いています。製品へのデザインが高精度で再現でき、特にTシャツやバッグなどに使われます。
デメリット: 耐久性に限界があり、洗濯後に色が落ちたり薄くなったりする場合があります。
4. オフセット印刷(フルカラー)
オフセット印刷は、金属版にインクを載せ、ゴムローラーを使って印刷面に転写する方法です。CMYKのインクを使用してフルカラーの印刷を行います。
利点: 高品質で精密な印刷が可能。大量印刷に向いており、価格が抑えられます。
デメリット: 初期の版作成にコストがかかるため、少量の印刷には向いていません。
5. UV印刷
UV印刷は、紫外線でインクを瞬時に硬化させる技術です。インクがすぐに乾燥するため、非常に高精度な印刷が可能です。UVインクは、CMYK以外の特殊色(白、金、銀など)にも対応可能です。
利点: 色鮮やかで耐久性が高く、非常にスピーディーに印刷できるため、特に特殊素材や短納期での印刷に強みがあります。
デメリット: 他の方法よりも価格が高くなる場合があります。
6. デジタル印刷(インクジェットを含む)
デジタル印刷は、インクジェットやレーザー技術を使用して直接素材にデザインを印刷する方法です。フルカラー(CMYK)を用いて印刷されます。
利点: 版作成が不要なため、少量での印刷が可能で、納期が短いのも特徴です。複雑なデザインやグラデーションを高精度で再現できます。
デメリット: 大量印刷には向いていません。価格が高くなります。
7. フレキソ印刷(フルカラー)
フレキソ印刷は、柔軟な印刷版を使ってインクを印刷物に転写する方法です。フルカラーの印刷に対応できますが、特にパッケージやラベル印刷で使用されることが多いです。
利点: 大量生産に向いており、コスト効率が良いです。特にパッケージやラベル印刷に優れています。
デメリット: 小ロットではコストが高くなることがあるため、少量生産には向いていません。
8. グラビア印刷
グラビア印刷は、凹版印刷の一種で、金属版の凹部にインクを充填し、それを素材に転写する方法です。非常に高精度で色彩豊かな印刷が可能です。
利点: 高品質なフルカラー印刷ができ、大量生産に非常に効率的です。細かいディテールや微細なグラデーションが得意です。
デメリット: 初期コストが高く、大量生産に適しています。少量印刷には向いていません。
特色をご希望の場合は…
まず、特色というのは、主に特定のカラーパレット(例:PANTONE)に基づいた色を意味します。通常の4色印刷(CMYK)では、すべての色をシアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)、ブラック(黒)の4色を混ぜて表現しますが、特色はこれとは別に、あらかじめ調合された特定の色を使用して印刷する方法です。
色の精度が高く、正確に色を再現することができるため、ブランドやロゴなど、特定の色が重要な印刷物に使われることが多いです。
特色をご希望の場合は、主に下記の印刷方法となります。
■シルク印刷:少量でも高品質な特色印刷が可能、特に布製品に向いています。
■オフセット印刷:大量印刷に適し、精度高く特色を再現できます。
■UV印刷:屋外用や特殊素材への印刷に適しています。
■フレキソ印刷:パッケージやラベル印刷で特に強力な印刷方法。
■グラビア印刷:大量印刷に向いており、非常に高品質な色を再現できます。
素材によって変わる印刷方法
木製、革製、金属
1. レーザー彫刻
レーザー光線を使って素材を加熱し、彫刻や切削を行う方法です。木材や金属、革に対して非常に精密な彫刻やカットを施すことができます。
適した素材: 木製、革製、金属(特にアルミニウムやステンレススチール)、アクリル
利点: 高精度で細かいデザインが可能。色に依存せず、素材自体を彫刻するため、耐久性や質感が非常に良い。
デメリット: 色のバリエーションが限られ、印刷というよりは彫刻や刻印に近いため、フルカラー印刷には不向き。
2. シルク印刷(スクリーン印刷)
適した素材: 木製、革製、金属(平らな表面に限る)、プラスチック
利点: 耐久性があり、特に手触りが重要なアイテム(例えば、革製品)に適しています。インクの密度が高いため、長期間色褪せません。
デメリット: 凹凸のある表面や複雑な形状には不向き。準備に手間とコストがかかります。
3. パッド印刷
適した素材: 木製、革製、金属、プラスチック
利点: 立体物や曲面にも対応でき、精密な印刷が可能。小さいサイズの印刷物やロゴに向いています。
デメリット: 色数が増えるとコストが高くなることがあり、大きなデザインやフルカラー印刷には不向きです。
4. インクジェット印刷
適した素材: 木製、革製(コーティングされている場合)、金属(コーティングされたものや特別なインクを使用)
利点: フルカラーの印刷が可能で、複雑なデザインにも対応。小ロットやカスタムアイテムに向いています。
デメリット: 一部の素材(特に未コーティングの金属や革)ではインクの定着が難しく、耐久性が低くなる可能性があります。
5. エッチング(化学的彫刻)
化学薬品を使用して、金属表面に彫刻を施す方法です。金属表面に細かな模様やロゴをエッチングすることができます。
適した素材: 金属(特にステンレス、アルミニウムなど)
利点: 高精度で耐久性があり、特に金属表面の装飾に適しています。複雑なデザインも対応可能です。
デメリット: 特殊な機材が必要で、コストが高くなる場合があります。
ラバー素材のノベルティ
1.色挿し
「色挿し」は、凹凸のあるラバー素材に、特定の部分へ手作業または機械でインクや樹脂を流し込む加工方法です。立体的なラバーノベルティに色をつけるためによく用いられます。
凹んだ部分に色を流し込むため、立体感と質感が強調され、立体的で高級感のある仕上がりになります。
2.インクジェット
インクジェットもラバー素材、特にラバーキーホルダー等で印刷方法として使用されることが多いです。
紙素材のノベルティ
紙製のノベルティには下記の方法の印刷が一般的です。
1.オフセット印刷(カラー印刷)
高品質・高解像度、写真や細かい文字もきれいに表現可能
大量印刷に適し、コストが抑えられる
2.デジタル印刷(オンデマンド印刷)
小ロット・多品種向け
バリアブル印刷(名前やQRコードの可変印刷)も可能
3.箔押し・エンボス加工
高級感を演出するために使われる特殊加工
名刺やギフト台紙などに◎
4.型抜き・打ち抜き加工(トムソン加工)
特定の形に紙を抜くことで、個性的なデザインに
ペーパークラフトやオリジナルタグなどで使用
アクリル素材のノベルティ
1.UVインクジェット印刷(フルカラー印刷)
アクリル表面に直接フルカラー印刷をする方法で、写真・グラデーション・細かい線まで美しく再現可能です。
裏面から印刷し、表面を透明に仕上げる“裏刷り”が一般的(保護効果と奥行き感)
です。
小ロット対応のアクリルグッズはUVインクジェットがお勧めです。
2.オフセット印刷(フルカラー印刷)
大ロット対応のアクリルグッズであれば、UVインクジェットがお勧めです。
印刷の発色が鮮やかでとても綺麗に出て、グラデーションも得意です。
3.レーザー彫刻(彫り加工)
アクリル表面を削ってデザインを刻む加工
インク不使用、長期間劣化しにくい
高級感があり、記念品や賞状風パネルなどに良く使用されます。
用途としては、トロフィー、表彰プレート、ネームプレートなどに使用される加工方法です
布素材のノベルティ
1.シルクスクリーン印刷(シルク印刷)
単色~数色対応で、かつコットンやキャンバスなどの自然素材に最適です。
単価が安く、特に大量ロットでコスパも良いです。
発色が鮮やか、特に濃色生地にも対応可(白引きあり)
2.昇華転写印刷
転写紙に印刷にて高温で布(ポリエステル)にインクを染み込ませる方式
化学繊維(ポリエステル)100%向けの印刷方法になります。
フルカラーが綺麗に出て、インクが染み込むため、手触りがなめらかです。
洗濯や摩擦に強い(インクが剥がれない)のも特徴です。
3.熱転写印刷
カッティングシートや印刷済みシートを熱でプレスして貼り付ける方式
ロゴ、ゼッケン、名前入れなどに多いです。
少量対応・細かいデザインもOKですが、面積が大きいと通気性が悪くなります。
洗濯耐性は素材・品質によって差があるため、注意が必要。
4.DTF印刷(Direct to Film)
専用のフィルムにプリント粉体の接着剤をつけて、熱プレスで布に転写する最新の印刷技術です。
従来の「インクジェット(DTG)」や「昇華転写」「カッティング転写」などの課題をうまく補完する存在として、近年非常に人気が高まっています。
素材を選ばず、綿・ポリエステル・混紡・ナイロンにもOKです。
写真・イラスト・グラデーションもきれいに再現され、版も不要なため、小ロット対応も可能です。洗濯・摩擦に強く、はがれにくいです。
ノベルティ印刷でよくある質問(FAQ)
どの印刷方法を選べばいいかわかりません。どうすればいいですか?
使用する素材やデザインの種類(単色・フルカラー)、ご希望の数量、予算、耐久性の優先度によって、最適な印刷方法は異なります。
制作したいグッズの素材、印刷範囲や印刷箇所、デザインの色数や複雑さなどを整理したうえで、一度お問い合わせいただくとスムーズです。
印刷の耐久性はどのくらいありますか?
耐久性は印刷方法や使用環境によって異なります。一般的には、シルク印刷や昇華転写は耐久性に優れており、摩擦や洗濯にも強いとされています。一方で、インクジェット印刷は比較的劣化しやすい傾向がありますが、近年では機材の進化により、インクの密着性や耐久性も大幅に向上してきています。 用途に合わせて、最適な印刷方法を選ぶことが大切です。
変形しやすい素材にはどんな印刷が向いていますか?
曲面や柔らかい素材には、パッド印刷やDTF転写など柔軟性のある方法が適しています。印刷面の形状も考慮しましょう。
色味はどれくらい正確に再現されますか?
素材や印刷方法によって色の見え方は変わります。モニターと実物は違うため、事前に色校正(サンプル作成)を依頼するのがおすすめです。
まとめ
ノベルティグッズの印刷方法は、使用する素材やデザイン、数量、予算、用途によって最適な手法が異なります。シルク印刷のようにシンプルでコストパフォーマンスに優れた方法から、インクジェットやDTF、昇華転写などのフルカラー印刷、さらにはUVやレーザー加工など特殊な技法まで、選択肢は多岐にわたります。
印刷方法によって仕上がりの見た目や耐久性、対応できる素材が大きく変わるため、目的や条件を整理したうえで選ぶことが重要です。ご不明点があれば、お気軽に専門スタッフにご相談ください。最適な方法をご提案いたします。
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